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「浄水・冷水・熱湯・炭酸水が1台でできる」というテレビCM、見た方もいるのではないでしょうか?
炭酸水メーカーのドリンクメイトと浄水器のブリタがコラボした「drinkcube(ドリンクキューブ)」。
2026年4月22日に発売された新製品です。
私は2007年から浴場・プール用ろ過設備の設計・保守を19年続けている水処理のプロです。家庭用浄水器の販売には関わっていないので、特定メーカーに忖度しないでフラットに解説できます。
この記事では、メーカーの宣伝文句をそのまま流さず、公式の試験結果と公開情報をもとにdrinkcubeを検証します。
買ってから「こんなはずじゃ…」とならないよう、弱点までしっかり解説しますね。
先に結論からお伝えします。
drinkcubeの本質は「炭酸水メーカーに浄水・冷温水機能を足した製品」です。
なので、炭酸水を毎日飲む家庭にはかなり合理的な1台。逆に、炭酸水をあまり飲まないなら58,800円を払う理由は薄く、浄水型ウォーターサーバーや浄水器+ケトルの組み合わせで十分です。
炭酸なしでいい人は、月額定額でレンタルできる浄水型サーバーの方が初期費用ゼロで始めやすいです。
>>浄水型ウォーターサーバーおすすめ4選|口コミ・比較を水処理のプロが解説【2026年】
drinkcubeは、炭酸水メーカー「drinkmate(ドリンクメイト)」を展開する
シナジートレーディング(大阪)が2026年4月22日に発売した多機能ウォーターサーバーです。
機能は次の4つ。
- BRITA浄水(マクストラプロカートリッジ)
- 冷水(約10℃)
- 熱湯(約85℃)
- 炭酸水(微炭酸〜強炭酸の4段階)
水道水を上のタンクに注ぐだけで使える「水道水補充型」です。宅配水の受け取りや重いボトル交換は不要。
| 項目 | drinkcube(DRM1043) |
|---|---|
| 価格 | 58,800円(税込) |
| 機能 | 浄水/冷水(約10℃)/熱湯(約85℃)/炭酸水(4段階) |
| 浄水カートリッジ | ブリタ MAXTRA PRO(交換目安150L) |
| タンク容量 | 6.85L(水道水を上部から補充) |
| サイズ/重量 | 幅26.5×奥行39×高さ47.3cm(レバー込み幅約30.7cm)/10kg |
| 維持費の目安 | カートリッジ約244円/月(36L使用時)+電気代約636円/月 |
| 保証 | 3年間 |
出典:シナジートレーディング公式発表・ドリンクメイト公式楽天市場店(2026年7月時点)
メーカーは「月々のランニングコストは浄水フィルターの約244円のみ」と説明しています。
これは月36L使用した場合のカートリッジ代で、電気代は含みません。
電気代は公式情報でスリープモード・ECOモードON時に月約636円。
合わせると月900円弱が実際の維持費イメージです。
さらに炭酸水を作るならガス代がかかります。
公式試算では142Lマグナムガスシリンダー使用時に炭酸水500mlあたり約14円です。
宅配水サーバー(月3,000〜5,000円が相場)と比べれば確かに安い。
ただし「244円だけ」で使えるわけではない点は押さえておきましょう。
批判の前に、良い部分を解説します。
①冷水からそのまま炭酸水を作れる設計
一般的な炭酸水メーカーの弱点は「事前に冷やした水が必要」なこと。
炭酸ガスは水温が低いほどよく溶けるので、常温の水ではシュワシュワ感が弱くなります。
drinkcubeは本体に冷水機能があるため、約10℃の水にそのままガスを注入できます。
冷蔵庫でボトルを冷やす手間が不要になるのは、構造として理にかなった設計です。
②カートリッジが汎用の「マクストラプロ」で入手しやすい
浄水カートリッジはブリタの「MAXTRA PRO(マクストラプロ)」。
ブリタのポット型浄水器と共通の、量販店でもネットでも普通に買える汎用品です。
専用カートリッジ商法(本体は安いが専用フィルターが高くて逃げられない)になっていないのは、
ユーザー目線で好感が持てます。価格競争が働くので維持費も抑えやすいです。
マクストラプロ ピュアパフォーマンスの除去性能は、
JIS S 3201試験で15項目+JWPAS B 210試験でPFOS・PFOA(PFASの一種)の計15+1項目。
ポット型浄水器として標準以上の性能です。
③温水ロック・交換お知らせ・3年保証
熱湯の誤操作を防ぐ温水ロック、カートリッジ交換時期(150L使用)とガス残量のお知らせ機能、
タンク内を定期照射するUVライトを搭載。
保証も3年間と、この価格帯では手厚い部類ですね。
ここからが本題です。CMではわからない弱点を5つ挙げます。
①熱湯は約85℃止まり。(猫舌はメリット)
drinkcubeの熱湯は約85℃(±5℃)です。一般的な浄水型ウォーターサーバーの温水は80〜90℃前後なので同水準ですが、「熱湯=沸騰したお湯」をイメージしていると物足りなく感じます。
カップ麺や緑茶には95℃前後が理想とされるので、「ちょっとぬるい」と感じる場面はあるかもしれません。

逆に猫舌の方にはいい感じですね。
赤ちゃんのミルク作りについては、WHOガイドラインの「70℃以上のお湯」という条件自体は満たします。
なので赤ちゃんのミルク作りにも安心して使えます。

かなりの時短になりますよ。
>>赤ちゃんのミルクの水はどれが正解?水道水・浄水器・サーバーをプロが比較
②ブリタの除去性能には限界がある
マクストラプロの中身は活性炭とイオン交換樹脂です。
塩素やカルキ臭、鉛・銅などの除去は得意ですが、
中空糸膜(ちゅうくうしまく:細菌やサビを物理的にこし取る膜)は入っていません。
浄水型ウォーターサーバー専用機には20〜32項目除去のカートリッジを積むモデルもあるので、
「浄水性能を最優先」する人には物足りない構成です。
あくまで「ブリタのポット型と同等」と考えてください。
なお、2024年のリニューアルで30μm以上の微粒子をキャッチするメッシュが追加され、
マイクロプラスチック対策は一歩前進しています。
>>水道水のマイクロプラスチックは危険?除去方法を水処理のプロが正直解説
>>ブリタ浄水器の口コミ・評判は?全モデルの違い・選び方を比較【2026年最新】
③タンク式は衛生管理がユーザー任せ(プロが一番気になる点)
私が職業柄いちばん気になるのがここです。
drinkcubeは、塩素が抜けた浄水を6.85Lのタンクに貯める構造です。
塩素は水道水の「防腐剤」の役割をしているので、抜けた後の水は雑菌が増えやすくなります。
ブリタ自身も公式サイトで「ろ過した水は24時間以内に使い切って」と案内しています。
本体には対策としてUVライトが3本入っていて、
30分作動・2時間休止を繰り返してタンク内を照射します。
この機能自体は評価できます。
ただ、UVを過信しないでほしいんです。
私は業務用ろ過設備の保守で19年間、浴場やプールのUV殺菌装置を見てきました。
現場では、ランプを覆う石英管が水アカで曇っていたり、ランプが寿命を過ぎていたりして、「点いているのに効いていない」装置を何度も見ています。
だから業務用では、UVランプの定期交換と塩素管理を必ずセットで行います。
家庭用のdrinkcubeでいえば、「UVがあるから掃除不要」ではなく、
タンクや注ぎ口の定期的な清掃、水を貯めっぱなしにせず使い切って入れ替える運用が前提、ということです。
本体がお手入れ時期を表示してくれるので、面倒がらずに行いましょう。

面倒臭いのはわかります。ただ、大事な家族のためにも実施してください。
④10kgの本体+上から給水。設置場所を選ぶ
本体サイズは幅26.5×奥行39×高さ47.3cm(レバー・ハンドル込みで幅約30.7cm)、重量10kg。
卓上型としては大きめです。
さらに上部から水道水を注ぐ方式なので、上部にスペースが無いと給水できません。
上方向の空間も必要です。
置き場所がない人向けに専用スタンド(18,500円)もありますが、その場合は次の⑤の問題が出てきます。
⑤スタンド込みだと総額77,300円
本体58,800円+専用スタンド18,500円で計77,300円。
「約20ヶ月で初期費用を回収」というメーカー試算は宅配水サーバーとの比較なので、
もともと水道水やポット型浄水器を使っている人には当てはまりません。
炭酸水メーカー単体なら1〜2万円台、ブリタのポットなら数千円で買えます。
「炭酸・冷水・熱湯・浄水を全部1台で」に価値を感じるかどうかが、この価格を払う分かれ目です。
正直にお伝えすると、発売から約2ヶ月半の執筆時点では、口コミはまだほとんど集まっていません。
楽天公式ショップのレビューも1件のみです。
件数が少ない段階で「評判は上々!」などと書くのは誠実ではないので、
この記事では公式スペックとプロ視点の検証を軸にしました。
レビューが集まり次第、この項目は追記・更新します。
「1台4役」に価値があるかは、他の選択肢と並べるとはっきりします。
| 項目 | drinkcube | 浄水型サーバー(レンタル) | ブリタ+炭酸水メーカー個別 |
|---|---|---|---|
| 初期費用 | 58,800円(+スタンド18,500円) | 0円〜が主流 | 合計2〜3万円前後 |
| 月額の目安 | 約880円(フィルター+電気代)+ガス代 | 2,750〜3,300円程度+電気代 | フィルター約1,000円+ガス代 |
| 炭酸水 | ◎ 冷水から直接作れる | × なし | ○ 別途冷やす手間あり |
| 温水 | 約85℃ | 80〜90℃前後(機種による) | なし(ケトル等で対応) |
| 浄水性能 | 15+1項目(ブリタ相当) | 20〜32項目の機種あり | 15+1項目(同じブリタ) |
※月額・除去項目数は代表的な例。浄水型サーバーの詳細は本文のリンク先記事を参照してください。
整理するとこうなります。
炭酸水を毎日飲む→drinkcube。
冷水から即炭酸を作れる構造は他にない強みです。
炭酸は不要、浄水の性能と手軽さ重視→浄水型ウォーターサーバー。
レンタルなら初期費用ゼロで、除去項目数の多い専用カートリッジを使えます。
温水も機種によってはより高温です。
>>浄水型ウォーターサーバーおすすめ4選|口コミ・比較を水処理のプロが解説【2026年】
とにかく安く始めたい→ブリタのポット+必要なら炭酸水メーカー個別持ち。
合計3万円前後で近いことができます。
ただし冷やす手間と置き場所は2台分必要です。
Q1. 電気代はいくらかかる?
公式情報では、スリープモード・ECOモードをONにした場合で月約636円です。使い方によって変わるので目安として考えてください。
Q2. 赤ちゃんのミルク作りに使える?
熱湯は約85℃で、WHOガイドラインの「70℃以上」という温度条件は満たします。ただし沸騰工程がないため、厳密にガイドライン通りにしたい方は一度沸騰させたお湯を使うのがおすすめです。
Q3. カートリッジはどれ?交換頻度は?
ブリタの汎用カートリッジ「マクストラプロ」です。交換目安は150Lで、本体が交換時期をお知らせしてくれます。交換をサボると浄水性能が落ちるので注意しましょう。
Q4. どこで買える?
全国の家電量販店・百貨店・オンラインで購入できます。ネットではドリンクメイト公式楽天市場店などが確実です。なお142Lガスシリンダー付きモデル(DRM1044)はエディオン限定です。
最後に要点をまとめます。
drinkcubeは「浄水・冷水・熱湯・炭酸水」の1台4役で、冷水から直接炭酸を作れる構造は本物の強みです。
カートリッジが汎用のマクストラプロなのも良心的。
>>ブリタカートリッジ互換品は大丈夫?正規品との違い・口コミをプロが検証【2026】
一方で、熱湯は85℃止まり、浄水性能はポット型のブリタ相当、タンクの衛生管理はユーザー任せ、
スタンド込みなら77,300円という現実もあります。
炭酸水を毎日飲む家庭なら、機器をまとめる価値は十分あります。
炭酸がいらないなら、浄水型ウォーターサーバーの方が浄水性能・温度・初期費用のバランスで有利です。
あなたの水生活が、少しでも快適で安心なものになればうれしいです。

