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「整水器って、高い浄水器のこと?」
調べていると、そう感じますよね。
結論から言うと、整水器は「浄水器+電気分解」の機器です。 水をきれいにする浄水器に電気分解機能をつけたもの。
ボクは浴場・プール用ろ過設備の営業・設計・保守を19年続けている水処理のプロです。
家庭用の浄水器・整水器の販売や施工には関わっていません。 だからこそ、特定メーカーに気を遣わずに書けます。
なお、筆者は整水器の実機を使っていません。 性能や仕様は、メーカーの公式資料と取扱説明書をもとにしています。
結論:整水器は「浄水器+電気分解」。水をきれいにするだけなら浄水器で足ります
まず違いを一覧にしました。 ポイントは「電気分解するかどうか」と「医療機器かどうか」の2つです。
| 項目 | 浄水器 | 整水器 |
|---|---|---|
| 仕組み | ろ過のみ | ろ過+電気分解 |
| 法律上の扱い | 医療機器ではない | 管理医療機器 |
| 出る水 | 浄水(ほぼ中性) | アルカリイオン水・浄水・弱酸性水など |
| 電源 | 不要な機種が多い | 必要 |
| 排水 | 出ない | 電気分解時に出る |
| 本体価格 | 数千円〜 | 数万円〜10万円超 |
※本体価格は2026年11月1日時点の販売店価格を参考にした目安です。
浄水器の種類ごとの選び方は、こちらで解説しています。
>>【2026年】浄水器のおすすめをメーカー別にプロが徹底比較
整水器とは?仕組みを3ステップで
整水器は、正式には「アルカリイオン整水器」と呼ばれます。 JIS(日本産業規格)では「家庭用電解水生成器」という名前です。
中でやっていることは、次の3ステップだけです。
最初に、水道水をカートリッジに通します。 活性炭や中空糸膜(細かい穴の空いたストロー状の膜)で、カルキ臭などを取り除きます。
ここまでは浄水器とまったく同じ仕組みです。
ろ過した水を「電解槽」に通し、電気を流します。 電解槽はプラスとマイナスの電極を、膜で仕切った部屋のことです。
マイナス側にアルカリ性の水、プラス側に酸性の水ができます。 飲用にするのは、マイナス側のアルカリ性の水です。
電気分解すると、2種類の水が同時にできます。 アルカリイオン水を出しているときは、酸性の水が排水ホースから捨てられます。
この「排水が出る」点は、浄水器にはない特徴です。 詳しくは後の「違い」の章で数字を出します。
ここが浄水器との一番大きな違いです。 整水器は、医薬品医療機器等法(旧・薬事法)で「管理医療機器」に分類されます。
たとえばパナソニックのTK-AS47は、仕様表に「機械器具83 医療用物質生成器」「管理医療機器」と明記されています。 浄水器は医療機器ではありません。
整水器で認められている効能・効果は、胃腸症状の改善です。 メーカーの取扱説明書では、中身を次のように説明しています。
胃腸症状の改善
出典:パナソニック アルカリイオン整水器 取扱説明書・公式サイト。医療機器として認められている範囲はここまでです。
アルカリイオン整水器協議会の年表によると、流れは次のとおりです。
- 1965年、薬事法のもとで医療用具として製造承認
- 1992年、国民生活センターのテストなどで効果を疑問視する声
- 1993年、厚生省(当時)が業界に科学的データを要求
- 1999年、二重盲検法(飲む人も医師もどちらの水かわからない試験)による比較臨床試験の結果を発表
パナソニックも、この比較臨床試験の報告書が厚生労働省に提出されたと説明しています。
整水器の広告では、ほかにもいろいろな話を見かけます。 ただ、医療機器として認められている効能は「胃腸症状の改善」です。
この記事では、承認・認証された範囲の話だけを扱います。 それ以外の話は、承認された効能とは別のものとして読んでください。
ここからは、具体的な違いを5つに分けて見ていきます。 比べやすいように、同じパナソニックの現行機で数字をそろえました。
| 項目 | 浄水器 TK-CJ24 | 整水器 TK-AS47 |
|---|---|---|
| 本体価格(税込) | 10,610円 | 59,400円 |
| 除去対象物質 | 19物質 | 19物質 |
| カートリッジ通水量 | 2,000L | 12,000L(約2年) |
| 電源 | ボタン電池 | AC100V(約80W) |
| 排水 | なし | あり(目安5:1) |
| 設置 | 蛇口に取付 | シンク横+水切換レバー |
比較条件:パナソニック現行機。仕様はメーカー公表値(TK-AS47は水圧100kPa時、カートリッジは1日15L使用時の目安)。価格は2026年11月1日確認(TK-CJ24:ケーズデンキ、TK-AS47:エディオン)。時期・店舗で変わります。
浄水器は、水道水から不純物を取り除くだけです。 出てくる水の性質は、ほぼ中性のまま変わりません。
整水器は電気分解でpHを変え、アルカリ性や酸性の水をつくります。 TK-AS47なら、アルカリ3段階・酸性1段階で切り替えられます(メーカー仕様)。
浄水モードもあるので、ろ過しただけの水も出せます。 浄水器でできることは整水器でもでき、その逆はできない関係です。
整水器は医薬品医療機器等法の管理医療機器です。 効能・効果として「胃腸症状の改善」が認められています。
浄水器は医療機器ではありません。 医療上の効能・効果は認められていない機器です。
整水器でつくったアルカリイオン水には、メーカーが定めた飲み方の注意があります。 薬を飲むときには使わない、腎臓の病気がある人は飲まない、などです。
浄水器の水には、こうした医療機器としての注意はありません。 具体的な内容は、次の章で紹介します。
整水器の中心部品である電解槽には、使える時間の目安が決まっています。 TK-AS47では累積約850時間です(水の生成時間と洗浄時間の合計、メーカー仕様)。
浄水器で交換が必要なのは、基本的にカートリッジだけです。 整水器はカートリッジに加えて、電解槽の状態にも気を配る必要があります。
機能が増えるほど、手入れの手間も増える
TK-AS47の排水比率の目安は「5:1」です(水圧100kPa時、メーカー公表)。 出てくる水5に対して、1くらいが捨てられる計算です。
活性炭や中空糸膜を使う一般的な浄水器では、排水は出ません。 ※RO膜(逆浸透膜)式の浄水器も排水が出ますが、ろ過の仕組みによるもので理由が違います。
なお、TK-AS47は浄水モードのときは排水が止まる仕様です。 排水の扱いは機種ごとに違うので、仕様表の「排水カット」の項目を見てください。
整水器は医療機器なので、飲み方にもルールがあります。 パナソニックの公式情報から、主なものを抜き出しました。
出典:パナソニック「安全上のご注意」「アルカリイオン水(還元水素水)って?」。機種ごとの取扱説明書も確認してください。
アルカリイオン水そのものが、効能を認められた水だからです。 薬を飲むときは「浄水」を使いましょう。
腎不全やカリウムの排せつ障害がある方は、飲用しないよう書かれています。
治療中の方や持病のある方は、使う前に医師への相談が求められています。
ミルクづくりには浄水を使うよう、メーカーが案内しています。 作り置きした水は、常温なら1日以内、冷蔵でも2日以内に使い切りましょう。
初めての方は、いちばん弱いレベルでコップ1〜2杯から始めます。
2週間ほどかけて慣らし、少しずつpHを上げるのがメーカー推奨です。
飲用はpH9.5前後、1日0.5〜1Lが目安とされています。 pH10以上の水は、直接飲まないでください。
ここまでの内容を、判断しやすい形にまとめます。
整水器が向く人
浄水器で十分な人
整水器を検討している方は、機種ごとの違いをこちらで整理しています。
>>パナソニック整水器の口コミ・悪い評判は本当?プロが検証【2026】
浄水器で十分だと感じた方は、手頃な蛇口直結型から始めるのがおすすめです。
>>【2026年最新】パナソニック浄水器のおすすめは?蛇口直結型 全2モデルをプロが比較
Q. アルカリイオン水・電解水素水・還元水素水は同じものですか? A. 呼び方はメーカーによって違います。JISではいずれも「アルカリ性電解水」にあたります。パナソニックは、還元水素水はアルカリ性電解水と同じものだと注記しています。
Q. 整水器があれば浄水器はいりませんか? A. 整水器には浄水機能が付いているので、浄水器を別に用意する必要はありません。浄水モードに切り替えれば、ろ過しただけの水が出ます。
Q. 排水はもったいなくないですか? A. 電気分解する以上、排水はゼロになりません。TK-AS47の目安は5:1です。気になる方は、浄水モードで排水が止まる機種を選ぶと無駄を減らせます。
Q. 電気代はどのくらいかかりますか? A. TK-AS47の消費電力は約80W、待機時は約0.4Wです。TK-AS32の水道代・電気代・カートリッジ代を含む費用は、約2.7円/L(本体価格を除く)と公表されています。
- 整水器は「浄水器+電気分解」の機器で、法律上は管理医療機器
- 認められている効能は「胃腸症状の改善」
- 除去性能はカートリッジで決まり、電気分解とは関係ない
- 浄水器との違いは、排水・電源・設置・本体価格・水の使い分けの5つ
- 水をきれいにするだけなら、浄水器で十分
整水器は、目的がはっきりしている人には便利な機器です。 ただ「なんとなく体に良さそう」で選ぶには、初期費用も設置条件も重めです。 まずは自分の目的が「きれいな水」なのか「胃腸症状のケア」なのかを決めてから選びましょう。

