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月額2,420円で1日5Lまで使えます。この価格帯では使える量が多く、浄水1Lあたりの単価は月額3,000〜4,000円台の機種と同水準です。
ただし解約時は必ず返却費用2,750円がかかり、1年未満なら手数料22,000円が加わります。短期で試したい人には不向きです。
※1Lあたりの単価は、各社公表の「1日の使用量目安」をもとにした当サイトの試算です。
パナソニックが浄水型ウォーターサーバーの定額サービスを始めます。2026年9月10日の発表で、開始は10月1日です。
大手家電メーカーがこの市場に本格参入するのは、それなりに大きな動きです。
ただ「月2,420円」という数字だけで判断すると、あとで困ることになります。
こんにちは、業務用のろ過設備を19年扱っているロカキヤです。浴場やプールの水をきれいにする設備の営業・設計・保守が本業です。
家庭用浄水器の販売や施工には関わっていません。だからメーカーに気を使う必要がなく、良い点も弱い点もそのまま書けます。
この記事では、公表されている数字を使ってTK-RSS1を解説します。
この記事の前提
結論:1日5L前後使い、2年以上続けられる人なら有力
先に結論を書きます。
TK-RSS1は「月額が安いサーバー」ではありません。
「同じ月額で使える水の量が多いサーバー」です。
浄水1Lあたりの単価に直すと約15.9円。
月額2,580円のLocca littaは約25.7円、月額2,750円のエブリィフレシャス liteは約27.4円です。
月額はほぼ同じなのに、1Lあたりでは4割ほど安くなります。
計算の根拠はこのあと詳しく書きます。
一方で、飲み水だけで1日1L程度しか使わない人には、この優位性はまったく効きません。
定額制なので、使わなければ使わないほど割高になります。
水道水を給水タンクに注ぐだけの卓上型です。工事はいりません。
購入ではなく定額利用サービス、いわゆるサブスクです。
契約が終われば本体はパナソニックが回収します。処分の手間がないのは地味に助かります。
| 品番 | TK-RSS1/-W(ホワイト) |
|---|---|
| 月額(税込) | 2,420円 |
| 初月(税込) | 4,950円(月額2,420円+配送実費・事務手数料2,530円) |
| カートリッジ | 年1回、無償で定期配送 |
| 修理保証 | 契約期間中は自己負担なし(利用者起因の破損等を除く) |
| 解約時の費用 | 返却費用2,750円+解約手数料(11ヵ月以内22,000円/12〜23ヵ月11,000円) |
| 契約終了後 | 本体はパナソニックが回収 |
| サービス開始 | 2026年10月1日 |
出典:パナソニック公式「浄水型ウォーターサーバー 定額利用サービス」(2026年9月13日確認)
初月の4,950円は、月額2,420円に配送実費と事務手数料2,530円を足したものです。
請求は利用開始月の翌月15日からになります。
| 外形寸法 | 約255×280×450mm(幅×奥行×高さ) |
|---|---|
| 質量 | 約6.5kg(給水タンク4L時 約12.5kg) |
| 給水タンク容量 | 4.0L(前面から着脱・丸洗い可) |
| 標準モード | 冷水10℃以下/温水80℃以上 |
| エコモード | 冷水10〜15℃/温水65〜75℃ |
| 消費電力 | 最大295W(待機時 約0.5W)/温水208W・冷水98W |
| その他 | 温水チャイルドロック搭載/背面・側面は10cm以上あけて設置 |
出典:パナソニック公式 商品仕様(2026年9月13日確認)。初回設定時は適温になるまで約1時間かかります。
幅25.5cm、奥行28cmなのでキッチンカウンターに置けるサイズです。
ただし背面と側面は10cm以上あける必要があります。実際に必要な設置幅は45cm前後と考えておいてください。
冷却のために、水を出していないときも動作音が鳴ることがあります。寝室に置くのは避けたほうが無難です。
解約時の返却費用2,750円と解約手数料はキャンペーン対象外です。無償期間だけ使ってやめる、という使い方はできない設計になっています。
出典:パナソニック ニュースリリース(2026年9月10日)/2026年9月13日確認
ここが一番誤解されやすいところです。
パナソニックの公表内容はこうなっています。
PFOS・PFOAはこちらに含まれます
いずれも「除去率80%の値」としてメーカーが公表しているものです。
PFOS・PFOAは後者に含まれます。
2026年4月から水道水質基準にPFOS・PFOA合算50ng/Lが加わったので、気にしている方は多いはずです。
>>【2026年最新版】専門家が解説。PFAS除去できる浄水器の選び方。おすすめ製品を徹底解説。
他社のサーバーは「31項目」「29項目」と表示しています。数字だけ見るとパナソニックが劣って見えます。
でも、これは比べられません。数え方が各社で違うからです。
たとえば水生活製作所は「JIS S 3201の除去対象物質は13物質、浄水器協会の規格でさらに4物質追加」と説明しています。
日本トリムは「JIS規格17物質」と表記しています。パナソニックは「JIS S 3201の試験法で規定された除去物質16物質」です。
同じJIS S 3201を根拠にしているのに、13・16・17と割れます。附属書Aの物質をどこまで数えるかで変わるためです。
さらに「31項目」といった数字には、JISの対象外である細菌や大腸菌などの独自試験が加算されています。
業務用のろ材を選ぶときも、カタログの「除去項目数」だけで判断することはありません。
見るのは「どの試験規格で」「どの物質を」「どれだけ水を通したときに」という3点です。この3つが揃って初めて、他社の製品と同じ土俵に乗ります。
数え方が各社で違う以上、19と31を並べて優劣を語るのは筋が通りません。判断したいなら、自分が気にしている物質(PFOS・PFOA、トリハロメタン、カビ臭など)が対象に入っているかを見るほうが確実です。
パナソニックの注記には「JIS S 3201試験による除去率80%の値」とあります。
これは「80%しか取れない」という意味ではありません。「総ろ過水量を使い切った時点でも除去率80%を維持できる」という、寿命側の基準です。
新品のうちはもっと高い除去率が出ます。使い込むほど下がっていき、80%を割る前に交換してくださいという設計になっています。
業務用でも同じ読み方をします。カタログの除去率は必ず「どれだけ水を通したときの値か」とセットで見ます。単独の数字には意味がありません。
TK-RSS1のカートリッジは1Lボトル2,000本分のろ過能力があり、1日5L使った場合に約1年で交換、とされています。
ここで業務用の話をします。
業務用のろ過設備では、ろ材の寿命を日数ではなく積算流量で管理します。
流量計を付けて、何m³通したかで交換時期を決めます。
設計段階でも、原水の水質と1日の使用量からろ材の必要量を計算し、そこに安全率を上乗せします。「1年ごと」といった日数だけで決めることはまずありません。
家庭用サーバーの多くは「◯ヶ月に1回」という日数管理です。使う量が平均より多い家庭は、日数が来る前に処理能力を使い切ってしまいます。
その意味で、TK-RSS1が「1日5L」という前提条件をはっきり書いているのは、むしろ誠実な表示です。条件を書かずに「使い放題」とだけ言う商品より信用できます。
公式には、5Lを超えて使う人は別売カートリッジ(TK-RSS1C1)の購入を勧める、と書かれています。
つまり定額は「1日5Lまで」の定額です。ここは正確に理解しておいてください。
そしてこの別売カートリッジ、執筆時点で価格が公表されていません。たくさん使う家庭にとっては実質コストが計算できない状態です。10月のサービス開始後に確認したいところです。
これも現場の話です。
「まだ水の出が悪くないから交換しなくていい」と考える方は多いのですが、これは危険な判断です。
活性炭は目詰まりで止まるのではなく、吸着できる量を使い切ると、水量はそのままで性能だけ落ちます。専門用語では破過といいます。
業務用の保守現場でも「流量は正常なのに水質が出ない」というケースがあります。差圧計を見ても分かりません。定期的に水質を測って初めて気づきます。
家庭用サーバーはそもそも水質を測れません。だからメーカーが決めた交換時期を守るしかない、というのが正直なところです。
ここからが本題です。
月額だけを並べる比較は、あちこちのサイトでやっています。
でもサーバーごとに使える水の量が違うので、月額の比較にはあまり意味がありません。
各社が公表している「1日の使用量目安」を使って、浄水1Lあたりの単価を計算しました。
| 機種 | 月額(税込) | 1日の目安 | 年間で使える量 | 浄水1Lあたり |
|---|---|---|---|---|
| パナソニック TK-RSS1 |
2,420円 | 約5L | 約1,825L | 約15.9円 |
| ハミングウォーター flows |
3,300円 | 約7.5L | 約2,738L | 約14.5円 |
| ウォータースタンド アイコン |
4,400円 | 約10L | 約3,650L | 約14.5円 |
| Locca litta (5年プラン) |
2,580円 | 約3.3L | 約1,205L | 約25.7円 |
| エブリィフレシャス lite |
2,750円 | 約3.3L | 約1,200L | 約27.4円 |
← スマホでは表を横にスクロールできます。
各社公表の「1日の使用量目安」×365日を年間量とし、月額×12ヵ月で割った当サイトの試算です。初期費用・電気代・解約金は含みません。ウォータースタンドは水道直結型のため補充作業は発生しません。料金・仕様は各公式サイトで最新をご確認ください。
結果はこうなりました。
TK-RSS1は約15.9円で、ハミングウォーターやウォータースタンドと同じ水準です。月額2,000円台で、この単価に届いている機種は他にありません。
Locca littaとエブリィフレシャス liteは月額こそ近いものの、1Lあたりでは25〜27円台です。使える量が1日3.3Lまでと少ないためです。
業務用のろ過設備を見積もるときは、本体価格ではなく「1m³の水を処理するのにいくらかかるか」で比べます。ろ材費・電力費・保守費を処理水量で割った数字です。
本体が安くてもろ材の寿命が短ければ、5年後の総額は逆転します。逆に初期費用が高くても、処理量が多ければ単価は下がります。
家庭用サーバーもまったく同じ構造です。月額の200円差より、使える水の量が2倍違うことのほうが効いてきます。
ただし、これは「目安量いっぱいまで使った場合」の計算です。
飲み水だけで1日1Lしか使わないなら、単価の話は関係ありません。その場合は月額の低い機種か、そもそも蛇口直結型やポット型のほうが合理的です。
>>浄水型ウォーターサーバーおすすめ4選|料金・浄水性能・解約金を水処理のプロが比較【2026年】
良いところばかりではありません。気になった点を挙げます。
見落とされやすいポイントです。
解約手数料とは別に、本体の返却費用2,750円がかかります。これは契約期間を満了しても発生します。
比較すると、ウォータースタンドは解約金0円、ハミングウォーターは2年以上で無料です。
TK-RSS1は「いつ解約しても2,750円」という設計になっています。
契約後11ヶ月以内の解約は22,000円、12〜23ヶ月は11,000円です。
返却費用と合わせると、1年未満でやめる場合は24,750円になります。
初月無償キャンペーンにつられて申し込み、合わなくて数ヶ月で解約、というのが一番損をするパターンです。
なお、24ヶ月より先の解約手数料は公表されていません。申し込み前に確認することをおすすめします。
給水タンクは4Lです。目安の1日5Lを使うなら、毎日1回以上は補充することになります。
タンクは前面から取り外せて丸洗いできる設計なので、作業自体は楽なほうです。
ただし「補充が完全になくなる」のは水道直結型だけです。
満水時の本体重量は約12.5kgになります。設置場所の耐荷重も見ておいてください。
これは気になりました。
競合各社は月あたりの電気代の目安を公表しています。
ハミングウォーターは約475円から、エブリィフレシャスは約410円から、といった具合です。
パナソニックは消費電力(最大295W、待機約0.5W)は出していますが、月額の目安は出していません。
エコモードもありますが、削減量の数値も見当たりませんでした。
使用条件で大きく変わる値なので、私のほうで推測値を書くことはしません。
ただ、他社が出している情報を出していないのは事実です。
水道水に塩素が入っているのは、菌が増えないようにするためです。
浄水器はその塩素を抜く機器なので、ろ過したあとの水には菌の増殖を抑える力がありません。
浴場やプールの管理では、残留塩素を測って一定濃度を保つことが基本です。逆に言えば、塩素が切れた水を溜めておく場所は汚れやすい、ということでもあります。
TK-RSS1の給水タンクは凹凸が少なく、フタごと外してシンクで丸洗いできる設計です。掃除のしやすさは、見た目の話ではなく衛生上の実利があります。ここは評価できる点です。
問い合わせ先:パナソニック 定額利用サービスカスタマーセンター 0120-878-131(平日10〜18時)
パナソニックは1966年に井戸用浄水器の1号機を発売しており、2026年で浄水事業60周年です。
蛇口直結型やアルカリイオン整水器も長く作っています。
同じパナソニックで迷うなら、判断軸はシンプルです。
温水と冷水がすぐ使えることに月2,420円を払う価値があるか。ここだけです。
浄水するだけなら蛇口直結型のほうが圧倒的に安く済みます。年間コストは1桁違います。
逆に、お湯を沸かす手間やペットボトルの購入・処分をなくしたいなら、サーバーの価値が出ます。
>>【2026年最新】パナソニック浄水器のおすすめは?蛇口直結型 全2モデルをプロが比較
Q. TK-RSS1はいつから使えますか?
サービス開始は2026年10月1日です。申し込みは2026年9月10日から始まっています。
Q. 工事は必要ですか?
不要です。水道水を給水タンクに注いで使う補充型なので、コンセントがあれば設置できます。
Q. カートリッジ代はかかりますか?
契約期間中は年1回、無償で定期配送されます。ただし1日5Lを超えて使う場合は、別売カートリッジ(TK-RSS1C1)の購入が推奨されています。この別売品の価格は執筆時点で公表されていません。
Q. PFASは除去できますか?
PFOS・PFOAは除去対象に含まれています。浄水器協会が定めるJWPAS B基準の試験による、除去率80%の値としてメーカーが公表しています。
Q. 途中で解約するといくらかかりますか?
返却費用2,750円に加え、契約後11ヶ月以内なら22,000円、12〜23ヶ月なら11,000円の解約手数料がかかります。
Q. 電気代はどのくらいですか?
メーカーから月額の目安は公表されていません。最大消費電力295W、待機時約0.5Wという仕様のみ公開されています。
TK-RSS1の立ち位置を整理します。
月額2,420円という価格帯で、1日5Lまで使える。この組み合わせは現時点で他にありません。
浄水1Lあたりで見れば、月額3,000〜4,000円台の機種と同じ水準です。
料理にも浄水を使いたい2〜3人世帯で、2年以上続ける前提があるなら、有力な選択肢だと思います。
逆に、飲み水だけで使う人、短期で試したい人、引っ越しの予定がある人には向きません。
解約時に必ずかかる2,750円と、1年未満22,000円の手数料が重くのしかかります。
家電メーカーの参入で選択肢が増えるのは、使う側にとっては良いことです。ただ、ブランド名で決めずに、自分が1日何L使うかを先に見積もってください。そこがすべての出発点になります。
迷っている方へ
TK-RSS1が合うかどうかは、1日の使用量でほぼ決まります。他機種と並べて見てから判断しても遅くありません。
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