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「ペットのお水、水道水のままでいいのかな…」
「軟水のほうがいいって聞いたけど、わざわざ専用の浄水器っているの?」
犬や猫と暮らしていると、一度はこんな疑問にぶつかりますよね。
とくに猫ちゃんは泌尿器のトラブルが多いと言われるので、心配になる気持ち、とてもよくわかります。
今回は、水処理メーカーのクリタックが出しているペット用の浄軟水器(じょうなんすいき)「まるっと軟水」シリーズを、水をキレイにする仕事ひと筋のロカキヤが忖度なくレビューします。
「メーカーが言わないところ」も含めて、正直にお伝えしますね。
※この記事は飲み水選びの一般的な情報をまとめたものです。
すでに結石などの持病がある子や治療中の子は、必ずかかりつけの獣医師さんの指示を優先してください。
先に結論からいきます。水処理のプロとしての本音はこうです。
- 日本の水道水はもともと軟水なので、ほとんどのご家庭では水道水のままでも問題ありません。
- ただし、
①硬水寄りの地域
②塩素のニオイで水を飲んでくれない猫
③ミネラルが気になる(結石を気にしている)子
には、まるっと軟水は理にかなった選択肢です。 - 一方で「軟水にすれば結石が治る・防げる」という売り方をする商品もありますが、それは言いすぎ。
水はあくまで脇役で、主役は食事と飲水量です。
つまり「魔法のグッズ」ではないけれど、塩素を抜いて飲みやすくし、ミネラルをやさしく減らすという役割を、専門メーカーらしく堅実にこなしてくれる製品、というのが私の評価です。
ここから、その理由を一つずつほどいていきますね。
「ペット用浄水器」を調べると、たいてい最初に出てくるのが「ペットには軟水が良い」という話です。
これは半分本当で、半分は誤解を生みやすいところなので、丁寧に説明します。
まず大前提として、日本の水道水の多くは軟水です。
硬度(こうど=カルシウムやマグネシウムの量を表す数値)でいうと、おおむね10〜100mg/Lの範囲で、東京都の平均は約60mg/L程度とされています。
一般的に硬度60mg/L未満が「軟水」、120mg/L以上が「硬水」の目安なので、多くの地域の水道水は、そのままでも犬や猫に十分やさしい水ということになります。
環境省の「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」でも、ミネラルの少ない水が望ましいとされていますが、裏を返せば日本の水道水はすでにその条件をだいたい満たしているんですね。
ただし例外があります。
九州の一部、沖縄、関東の一部など、硬度が高め(硬水寄り)の地域もあります。
ここに住んでいる方は、自宅の水道水の硬度を一度チェックしておくと安心です(水道局のサイトや水質一覧で確認できます)。
ここが今日いちばん伝えたいところです。
「水のカルシウム・マグネシウムが尿路結石(にょうろけっせき)の原因になる」という話、よく見かけますよね。
これは完全な間違いではありません。
栃木県獣医師会なども、ミネラルの過剰摂取が犬の尿結石の一因になりうると注意を呼びかけています。
猫の飼い主さんの間でも「カルマグ(カルシウムとマグネシウムのバランス)が気になる」という声は多いです。
ただ、プロとして正直にお伝えすると
結石のいちばん大きな要因は、飲み水の硬度ではなく「食事の内容」「尿のpH(酸性・アルカリ性の度合い)」「そもそもの飲水量」です。
たとえば猫に多いストルバイト結石はマグネシウムが構成成分の一つですが、発生をコントロールしているのは主に尿の濃さとpHで、これは療法食でコントロールするのが基本です。
水から摂るミネラルの量は、食事から摂る量にくらべればずっと小さい。だから、
- ❌「軟水にすれば結石にならない」 → 言いすぎ
- ⭕「ミネラルを少しでも減らせるなら、心配な子にとってマイナスにはならない」 → こちらが正確
という温度感が正しいです。
実際、まるっと軟水のパッケージにも「本製品は病気の治療等を目的としたものではありません」ときちんと書かれています。ここを誇張しない姿勢は、メーカーとして誠実だと思います。
クリタックの浄水器について詳細はこちら
>>クリタックの浄水器はPFASを除去できる?POWER BLOCK・クリピーレTZを水のプロが解説
では「水道水が軟水なら、まるっと軟水は無意味なの?」というと、そうではありません。次のようなご家庭では、はっきり価値があります。
- 硬水寄りの地域に住んでいる : もともとのミネラルが多めなので、軟水化のメリットがそのまま出ます。
- 猫が水道水のニオイを嫌がって飲んでくれない : 猫は嗅覚が鋭く、塩素(カルキ)のニオイを嫌う子がいます。塩素を抜くと飲水量が増えることがあり、これは泌尿器ケアの面でも地味に大きい。
- 結石や泌尿器が心配/既往がある :治療の代わりにはなりませんが、「できることはやっておきたい」という飼い主さんの“転ばぬ先の杖”として。
特に2番目の「飲んでくれる量が増える」効果は見逃せません。
結石対策で本当に効くのはたくさん水を飲んでもらうことなので、「飲みやすくする」アプローチは筋が良いんです。
ここから製品そのものの話に入ります。
まるっと軟水は、約半世紀にわたり浄水器をつくってきた専門メーカー・クリタックが開発した、ワンちゃん・ネコちゃん向けの浄軟水器です。「浄水器」と「軟水器」を合わせたような名前のとおり、役割は2つあります。
- 浄水(じょうすい):水道水の残留塩素(カルキ)を除去して、ニオイの少ない飲みやすい水にする
- 軟水化(なんすいか):カルシウム・マグネシウムなどのミネラルを軽減して、飲みやすい水にする
ポイントは、電源不要で、水を注いで数分待つだけというシンプルさ。
ポット型浄水器のペット版、とイメージするとわかりやすいです。
ろ材(ろ過する中身)はすべて日本製で、人が飲んでも問題ない品質(ヒューマングレード)とされています。
まるっと軟水には、飼っている子や使う量に合わせて選べるよう、いくつか種類があります。
まるっと軟水のラインナップ
ろ過性能は全モデル共通。違いは「容量」と「見た目」だけです。
| 製品名 | 対象 | こんな子・ご家庭に |
|---|---|---|
| にゃんたま猫モチーフのクリア容器 | 猫用 | 猫1〜2匹にちょうどいい定番サイズ |
| わんたま犬向けデザイン | 犬用 | 小〜中型犬に。性能はにゃんたまと同等 |
| 大容量うさぎたっぷりサイズ | うさぎ用 | よく飲む子・複数飼いでも作り足しが少ない |
| 大容量ペット全般 | ペット全般 | 多頭飼い・大型犬向けのたっぷり容量 |
迷ったら、猫1匹なら「にゃんたま」、大型犬・多頭飼いなら「大容量」が選びやすいです。
中身のろ過性能(塩素・ミネラルを減らすしくみ)は共通で、**違いは主に「容量」と「見た目」**です。猫1匹なら「にゃんたま」、大型犬や多頭飼いなら「大容量」、という選び方でOKです。
代表として、猫用「にゃんたま」の仕様を整理します(公式・販売店情報より)。
スペックまとめ(にゃんたま)
活性炭で塩素を、イオン交換樹脂でミネラルを軽減する王道方式です。
| ろ材の種類 | 活性炭・イオン交換樹脂 |
|---|---|
| 除去できるもの | 遊離残留塩素(カルキ)/全硬度(カルシウム・マグネシウム) |
| ろ過能力 | 遊離残留塩素 60L / 全硬度 60L (原水硬度50mg/L時・JIS S 3201) |
| ろ過容量 | 約400ml(1回に作れる量) |
| ろ過時間の目安 | 約3〜5分(流量0.1L/分) |
| 本体サイズ | 約 140 × 155 × 175 mm |
| 本体重量 | 約350g(満水時 約800g) |
| カートリッジ交換目安 | 約2ヶ月(1日2回・計1L使用/原水硬度50mg/L以下の場合) |
| 電源 | 不要 |
| 原産国 | 日本 |
しくみを簡単に言うと、活性炭が塩素やニオイを吸着し、イオン交換樹脂がカルシウム・マグネシウムを別のミネラルと入れ替えて減らす。
という、人用の浄軟水器とまったく同じ王道の方式です。奇をてらわない、堅実なつくりですね。
正直レビューなので、良い点も悪い点も両方出します。まずは良いところから。
1. 塩素を抜いて「飲みやすい水」になる 猫はとくにニオイに敏感です。カルキ臭が消えることで、これまで水をあまり飲まなかった子が飲んでくれるようになった、という声が多いのが実感としても納得できます。飲水量アップは泌尿器ケアの王道です。
2. ミネラルをやさしく減らせる(とくに硬水地域で効く) イオン交換樹脂で全硬度を下げてくれます。硬度が高めの地域ほど、この恩恵は大きくなります。
3. 専門メーカー製で、ろ材が日本製・人も飲める品質 ここはクリタックの強みです。半世紀ペット用ではなく“水”をやってきた会社なので、ろ材の信頼性は安心材料。「ペット用だから中身は適当」という製品とは一線を画します。
4. 電源不要・静か・置くだけ モーター音がしないので、音を怖がる猫にもやさしい。コンセントの位置を気にせず置けるのも、地味に便利です。
ここがこの記事のいちばん大事なパートです。買ってから「聞いてないよ」とならないように、忖度なくいきます。
① 塩素を抜くので「汲み置き」できない これは浄水・軟水器すべてに共通する宿命ですが、塩素を除去すると、その水は雑菌が繁殖しやすくなります。公式も「浄軟水は汲み置きしないで、早めにお使いください」と明記しています。つまり「朝入れて夕方まで器に放置」という使い方には向きません。こまめに替えてあげる手間がかかります。
② 一度に作れる量が400mlと小さめ にゃんたまのろ過容量は約400ml。猫1匹なら十分ですが、多頭飼い・大型犬・うさぎだと足りず、何度も作る手間が出ます。その場合は最初から「大容量」タイプを選びましょう。
③ ろ過に数分かかる 注いですぐ出てくるわけではなく、全部ろ過されるまで約3〜5分待ちます。急いでいるときは少しもどかしいかもしれません。
④ ランニングコスト(カートリッジ代)がかかる 後述しますが、カートリッジは消耗品です。硬度の高い地域では交換サイクルが早まり、コストも上がります。
⑤ あくまで“飲み水ケア”。病気の治療ではない 繰り返しになりますが、結石などの治療・予防を保証する製品ではありません。心配な症状(頻尿・血尿・トイレで鳴くなど)があれば、グッズより先に動物病院です。
気になるお金の話を、正直な数字で。
- 交換用カートリッジ:1個 約1,500円(実勢価格)
- 交換目安:約2ヶ月(1日2回・計1L/硬度50mg/L以下の場合)
これをならすと、1ヶ月あたり約750円、年間で約9,000円が目安です。本体価格は販売店によって変わりますが、おおむね数千円から始められます。
ペットボトルの水を毎日買うことを思えば割安ですが、「水道水+普通の人用浄水器」と比べると、ペット専用ぶんのコストは上乗せになります。硬水地域の方ほどカートリッジの持ちが短くなる点も、頭の片隅に入れておいてください。
ここでは、楽天・Amazon・Yahoo!ショッピングなどに寄せられている口コミの傾向を整理し、その内容が水処理の視点から見て妥当かどうかを私なりにコメントします。
※以下は個別レビューの引用ではなく、複数サイトに見られる声を要約・整理したものです。
販売各サイトでの評価は、星4〜4.5前後と高評価が中心。
ただしレビュー件数自体はそれほど多くないため、参考のひとつとして見てくださいね。
「猫モチーフのクリア容器がかわいい」「インテリアになじむ」 見た目を評価する声は多いです。毎日目に入るものなので、気分が上がるのは地味に大事なポイント。

性能とは関係ありませんが、続けやすさに直結します。「置いておきたくなる」デザインは、こまめな水替えのモチベーションにもつながります。
「電源不要で音がしない。猫が怖がらない」 モーター音のする循環式給水器を嫌がる子もいるので、静かさを喜ぶ声がありました。

こは本機の素直な強み。置き場所もコンセントに縛られません。
「日本製で、人も飲める品質なのが安心」 専門メーカー製&ろ材が日本製という点に安心感を持つ飼い主さんが多い印象です。

妥当な評価です。活性炭+イオン交換樹脂という構成は、人用の浄軟水器と同じ堅実な方式。中身に変な“盛り”がないのは信頼できますね。
「結石が心配なので“転ばぬ先の杖”として続けている」 泌尿器トラブルを気にして使い始める方が目立ちました。フィルター式から乗り換えても変わらず飲んでくれた、という声も。

気持ちはよくわかります。ただ前述のとおり、これは治療や予防を保証するものではありません。「飲水量が増えるなら結果的にプラス」という捉え方が健全です。
「効果がすぐ目に見えてわかるわけではない」 水質改善は数字で実感しにくいので、こうした声は自然に出ます。

これは製品の欠点というより、水質ケア全般の性質です。即効性を期待する道具ではなく、毎日の積み重ねで効くもの、と考えてください。
「カートリッジ代がやや高く感じる」 ランニングコストを指摘する声は一定数あります。

正直なところ、ペット専用ぶんの上乗せは確かにあります(月750円目安)。
コスト重視なら、人用の浄水器で兼用する手も検討の余地ありです。
「交換目安が地域によって変わるのがわかりにくい」 硬水地域では交換が早まるため、戸惑う声も。

その通りで、表示の「約2ヶ月」はあくまで硬度50mg/L以下での目安です。お住まいの硬度を一度確認しておくと、コストも交換タイミングも読みやすくなります。
全体として、「飲みやすさ・安心感・デザイン」への満足度が高く、「コストと即効性のなさ」が弱点。
製品の実力どおりの評価に落ち着いています。
過度な期待をせず、役割を理解して使えば満足度の高い一台、というのが口コミからも読み取れる結論です。
ここまでをふまえて、ズバッと切り分けます。
✅ まるっと軟水が向いている人
- 硬水寄りの地域に住んでいる
- 猫がカルキ臭を嫌がって水をあまり飲まない
- 結石・泌尿器が心配で「できることはしておきたい」
- ペット用に、信頼できる専門メーカーの水を用意したい
- 電源を使わず、置くだけで完結させたい
🤔 無理に買わなくてもいい人
- お住まいが軟水地域で、ペットが水道水をふつうに飲んでいる
- すでに人用の浄水器があり、その水をペットにも使えている
- 汲み置きできない・こまめに替える手間が負担に感じる
- 多頭飼いで大量に必要(→その場合は「大容量」モデルを検討)
要するに、「水道水を問題なく飲めている軟水地域の子」には必須ではない。でも、上の“向いている人”に当てはまるなら、買って損のない堅実な一台、という結論です。
「ペットの水まわり」には、まるっと軟水以外にもいろいろな選択肢があります。違いを整理しておきます。
- セラミックボール系(入れるだけのスティック等):手軽で安いですが、塩素やミネラルの除去性能は浄軟水器ほど明確ではありません。「とりあえず手軽に」派向け。
- 自動給水器(循環式):流れる水で飲水量を増やすのが狙い。ニオイ・ミネラルの除去より「飲んでくれる工夫」に寄った製品です。まるっと軟水と役割が違うので、併用もアリ。
- 浄水型ウォーターサーバー:人もペットも使え、お湯も出るのでフードのふやかしに便利。家族ぐるみで水を見直したいご家庭はこちらも候補です。
- 人用の浄水器(ポット型・蛇口直結型):塩素やニオイは除去できますが、軟水化(ミネラル低減)まではしない製品が多いのが違い。ミネラルが気になるならまるっと軟水、塩素とニオイだけで十分なら人用浄水器でも兼用できます。
「人もペットも一緒にきれいな水を」と考えるなら、まずは家庭用の浄水器から見直すのも手です。
>>【2026年】浄水器のおすすめをメーカー別にプロが徹底比較
なお「人が飲む水の有害物質(PFASなど)も気になる」という方は、こちらもどうぞ。
>>【2026年最新】PFASを除去できる浄水器の選び方とおすすめ
Q. まるっと軟水は人間が飲んでも大丈夫?
A. はい。ろ材は日本製で人が飲める品質(ヒューマングレード)とされています。塩素やミネラルを軽減した、人用の浄軟水器と同じ水です。ただし塩素を抜いているぶん傷みやすいので、汲み置きせず早めに飲みきってください。
Q. 軟水にすればペットの結石は防げますか?
A. 「防げる」とは言えません。結石の主な要因は食事・尿のpH・飲水量で、水の硬度はそのうちの一つにすぎません。ミネラルを減らすことは心配な子にとってマイナスにはなりませんが、治療や予防の保証ではありません。症状がある場合は必ず動物病院へ。
Q. カートリッジはどれくらいで交換しますか?
A. 目安は約2ヶ月(1日2回・計1L使用/原水硬度50mg/L以下の場合)です。お住まいの地域の硬度が高いと、これより早まります。パッケージの「全国水質マップ」で自分の地域の目安を確認しましょう。
Q. 井戸水やミネラルウォーターにも使えますか?
A. いいえ。まるっと軟水は水道水の飲用基準に適合した水に使う前提の製品です。井戸水やミネラルウォーターには使用しないでください。また、観賞魚の水槽用にも使えません。
最後にぎゅっとまとめます。
- 日本の水道水はもともと軟水。まるっと軟水は“全員に必須”ではありません。
- ただし、硬水地域・カルキ臭を嫌がる猫・泌尿器が心配な子には、塩素除去+軟水化が理にかなった選択肢。
- 「軟水にすれば結石が治る・防げる」は言いすぎ。水は脇役、主役は食事と飲水量。製品自体も治療目的ではないと明記しており、その誠実さは好印象。
- デメリットは、汲み置き不可・一度に400ml・ろ過待ち数分・カートリッジ代(月約750円目安)。
- 専門メーカーの堅実なつくりで、ろ材は日本製。“向いている人”にとっては、買って後悔しにくい一台です。
愛犬・愛猫が毎日おいしくお水を飲んで、すこやかに長生きしてくれること。それがいちばんですよね。この記事が、あなたのお家にとってベストな水選びの助けになればうれしいです。


