みなさんは「自動塩素管理装置」というものを聞いたことがありますでしょうか?
この記事では

「なにそれ?聞いたこともない」

「聞いたことはあるんだけど・・・よくわかんないんだよね」
という方に向けてろ過機会社に勤めて10年以上になる私が自動塩素管理装置についてわかりやすく説明します。
まず、結論から言うと導入後管理がかなり楽になります。
自動塩素管理装置を導入していないところの日常管理の流れ
- 浴槽の残留塩素濃度をDPD測定器で測定する。
- その測定値が0.4ppm以下であれば注入量を増やし、高ければ減らす調整作業を実施する。
- 薬液タンク内の塩素が減ってくれば補充する。
上記の流れで作業をしていると思いますが「2.調整作業」が難しいと感じるのではないでしょうか?
塩素は注入量を一定にしても、一定の割合で塩素が上昇することはありません。
なぜなら、入浴者数・気温・天気等の条件によって大きく塩素消費量は変わっていきます。
塩素消費量に係る条件の例
- 塩素は紫外線や高温に弱いため夏と冬では消費量が違います。
- 塩素は紫外線や高温に弱いため晴天と雨では消費量が違います。
- 入浴者の数や汚れ具合によっても消費量が違います。
- 入浴者の有無でも消費量が違います。
このような色々な条件が絡み合って消費量は変化していきます。
そのため管理には経験則が必要になってきます。
始めて管理する方はこの辺のコツを掴むまで非常に苦労していると思います。
一生懸命やろうとしてくれている施設も多いですが、中には
「塩素注入量の調整をしたこともない。」
「調整ってするものなの?そのままでいいんじゃないの?」
というところもあります。
きちんと管理されている方からすると驚きと恐怖さえ感じると思います。
特に異動や入退社の激しいところでは顕著にその傾向があります。
他の業務もあり大変であるとは思いますが、命に係わることなのできちんとやって頂きたいところではあるのですが・・・
これは、高齢者施設のお風呂でも見られることがあります。
実際にレジオネラ症が発生していないので実感がわかないのかもしれません。
何度も言いますが特に高齢者は命に係わるため、今出ていないというだけで非常に危険な状況だと思います。
大事な命にかかわるところというのを認識して管理して欲しいので熱心に説明するのですが、悲しいことに管理者によって反応が違うのが現実です・・・。
そこで役に立ってくれるのが「自動塩素管理装置」
2.濃度調整作業という一番手間のかかる部分をマルっと機械がやってくれます。
しかも24時間365日付きっきりで目を光らせてくれます。
簡単に流れを説明すると
↓
これをろ過機動作中にずっと繰り返しています。
塩素濃度センサー部で現在の塩素濃度を測定する。
その値に応じて塩素を注入する・注入しないの指示を機械(薬液注入ポンプ)に出します。
例えば
なので、経験則で巧みに塩素注入量を変更する熟練の管理人さんは必要ありませんし、現在いる場合は他の業務に時間を割けます。
大事なところは自動塩素管理装置が代わりにやってくれるからです。
そのため管理人さんが入れ替わっても、
最低限の引継ぎで安全に浴槽の衛生管理が出来ます。
これは施設側にはかなりのメリットではないかと思います。
利用者がいつレジオネラ属菌に感染してしまうかわからないというリスクを負うよりも保険と考えて自動塩素管理装置の導入はおススメです。
ここまでいいことばかり書きましたが注意点も書きたいと思います。
自動塩素管理装置を導入する上の注意点
- 便利だが言っても機械なので実際に塩素濃度を残留塩素濃度測定器で測って狂いがないかの確認は必要です。
- 設置にお金がかかる。(〇十万はする)
- 定期的にメンテナンスが必要になります。(年1回程度)
とありますが感染のリスクを考えればお金をかけるべきところではないかと思います。
まとめ 自動塩素管理装置の導入をして管理負担を軽減しよう
- 自動塩素管理装置は熟練巧みな管理人の代わりになる。
- 利用者様の事や貴施設のことを考えるとお金はかかるが設置すべき。
私の会社で取り扱いのある自動塩素管理装置を載せておくので参考までに。
設置工事や設定等があるため実施の際は専門業者にお願いしてくださいね。
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